34話 焼討ちの代償
35話 義昭、迷いの中で
二話まとめての感想です。
①信長の酷薄さが次第に露わに
叡山焼討ちの一番手柄として認められた十兵衛ですが、信長の命令に背いて女子供を逃してやった事を告白。
きっと藤吉郎とかはもっと上手く立ち回っているでしょうに、馬鹿正直で嘘がつけないのでしょうね、十兵衛は。
「今回は特別に聞かなかった事にしてやる」
怖いですね〜。次、命令に逆らったらどうなっちゃうの?
この時点では、まだヒヤリとさせられただけだったかもしれませんが、次に十兵衛はもっと心を冷やす台詞を聞く事になります。
摂津の企みにより一触即発となった松永と筒井。
十兵衛は、必死で両者を引き合わせ説得し、筒井方につくであろう幕府と、松永と同盟している信長とが激突する事を回避しました。
洞察力の優れた松永は、今回は十兵衛の顔を立ててくれたものの、信長の破壊性に今後もついて行けるか問われ、十兵衛は叡山の焼討ち以来苦悩の中にいる本音を隠せません。
すると、
「信長と将軍は水と油。決裂は必然」
と逆に助言してくれたのでした。
吉田鋼太郎さん、脚本家に愛されてるなあ笑
果たして、事が収まった次第を信長に報告したら
「そうか。これで松永を討たなくて済んだ。」
という予想外の返答で、流石の十兵衛も戸惑いの台詞がつい口を出てしまいました。
「…松永の方を討つおつもりだったので?…」
それに対し、信長は悪びれもせず宣います。
「仕方ないではないか。帝が、大和の諍いが都に及ぶ事を望んでおられない」
そもそもこの大和領地を巡る争いは、信長が三好との戦で松永を味方にするため、「大和の領地は切り取り次第でお前に与える」と約束した事から起こっているのに、この言葉は身勝手かつ酷薄ですね。
ここで十兵衛が学んだ事は、今後の彼の行動と決断に大きな影響を及ぼす事になるのでしょう。
まず一つは、信長は最早将軍の存在を無視して帝の方を重視している。
そしてもう一つは、信長は信心に興味が無いだけでなく、平気で部下や同盟者を裏切る。
「領地は切り取り次第で与える」という景気の良いエサを振り撒き、部下たちを馬車馬の様に働かせているんですがね…藤吉郎だって領地をくれるというからこそ死ぬ気で戦ってるんですけどね…
②悪しき者を叩き出したものの将軍は孤立
将軍義昭は、摂津の専横に気付いていますが、
信長から領地を貰った十兵衛に対しても疑心暗鬼となり、領地近江へ去る時には妻子を人質にして残して行く様命じる有様。
ただ無力感の中で孤独を深めてしまっています。
そんな中、目障りな十兵衛の暗殺を謀った摂津。甲斐に逃げ込んだ叡山の魔物と共に、武田信玄を上洛させ信長を京から追い払うつもりなのです。
盟友細川らの内報を得て、何とか逃げ延びた十兵衛、遂に旧弊な悪である摂津の排除を将軍に迫ります。
漸く摂津処断を決意した義昭に、三渕らと共に支えて行くと必死に励ます十兵衛なのに、
義昭は信長への憎悪を露わにするばかり。今後に不安しかありません。
③帝の存在がクローズアップ
十兵衛は、信長がすっかり心酔してしまった帝の存在と人柄に興味を抱き始めました。
また、帝の方も信長らを通じて名前を聞く存在であった十兵衛に関心を持ち、公家の三条に言伝て、非公式に会う誘いをくれました。
無骨な戦国武将たちの中にあって、古典教養を身につけていた明智十兵衛が、いかに外交官として貴重で便利な存在だったかが分かる場面でもあります。
その為に着なれぬ公家装束をする羽目になった十兵衛。
本来ここはちょっと似合わないで笑う場面なのかもしれないんだけど…いや、うん、長谷川さんだから何着てもカッコいいって!ウットリしちゃってゴメン笑
「褒めて欲しそうだったから、褒めてやった」
と信長を自在にマインドコントロールしていそうな麗しくも魔物感のある帝、果たして本性や本音はどこにあるのでしょうか?
本能寺の真相に絡んできますかね?
④明智一家と我が推し左馬助
うん、今回も出番少ない泣😂
最早何事かと不審に思うレベルであるww
父十兵衛が築城する坂本城に行く日を心待ちににしている家族と
叡山の焼討ちのため信者の恨みを十兵衛とその家族が買ってしまった事が描かれました。
んで、我が推し左馬助くんは
雪の中、太夫を取り次ぐために一瞬の登場が美しかったのと
お岸ちゃんに書の手習を教えていて、これが未来の夫婦になるのかと、身悶えさせられたくらい…
(尊い)
(歳の差犯罪臭がするという意見は却下する)
お岸ちゃん写してるの、源氏物語の若紫のところって呟き見かけたけど、マジだろうか?笑
この二人のエピソードまで描く尺取れそうもないから、隠しファンサ?ファンサなのねきっと!←
足りない養分は、以下の猛烈にカッコいい雑誌間宮表紙が投下されたので、今私は大変ご機嫌がよろしい←
時間はいよいよ将軍様がアカン感じになるのですね、了解でござる。