楽しみに1週間を待った甲斐ありました。
間宮樫山の魅力がいっぱい詰まったドラマチックなラストシーン。これでこの役も見納めかと思うととても寂しいです。
そもそも序盤から、本日の間宮は美しいぞ!と目が釘付け。
率直に言って、本ドラマでの間宮氏ビジュアルに美しさを感じたのは今回が初めてです。
見栄と虚勢を張っていた樫山くんが、惨めさを募らせていく過程は、見ているこちらも辛いほど。
そして迎えたラストシーン。
静かな朝の光を背に受けて始まったこの場面で、最初私はなんだって表情がよく分からないこんな演出をするのか首を傾げておりました。
が、すぐにその効果が分かった。
いつになく静かで何かを秘めた様子の樫山くんが、感情を次第に露わにしていく様は本当に見応えのある演技でした。
青春の美しい時代の思い出と共に、主人公のもとから姿を消した彼は、その後どんな運命を辿ったのでしょうか。
以下は、妄想により物語を補完したい方のために、モデルとなった人物のその後について簡単にまとめます。
実は、吉田を追いかけてキャバレー周りの仕事を始めたも関わらず、吉田の方が先に仕事に見切りをつけて箱バンを飛び出しており、満くんは一人見捨てられた格好になってしまうのです。
ヴァイオリンを質出ししてからも、気障に去ったあと1年半ほどは残された箱バン生活を続けていたとのことで、必死で音楽で生きていく道にしがみつこうとしていた様子が伺えます。
ドラマ中では、吉田・樫山の連名で届いていた名古屋からの絵葉書は、実は満氏からさだ氏に届いた最後の私信でした。
動物園の絵葉書に、「遂にライオンがでました」とだけある謎めいた文字に、あいつらしいな、と懐かしんでいたいたさだ氏ですが、その事を本小説の新聞連載に書いた後、読者から思わぬ指摘を受けます。
それは、喘息患者特有のゼロゼロと喉がなる重い発作の暗喩ではなかったかと。
杉山満氏は26歳の若さで喘息がもとで亡くなった、と人づてには聞いていても、さだ氏は信じたくないと、原作本あとがきに綴っています。もし生きていてこの本を見たら連絡が欲しい、と。
もし、本当に26歳でお亡くなりになっていたとしたら、さだ・吉田の両氏がグレープとして世に出たことを知る事ができたはずです。どの街で、どんな思いで二人の成功を眺めたことでしょう。
余りにも切なすぎるので、ドラマではむしろ颯爽と立ち去ったままのキャラでいて欲しいと思ってしまう。
とにかく、今回の間宮氏は、そんな悲しい運命をたどる人物にふさわしく、どこか儚げでノルタルジックな空気すらまとい、素晴らしい演技だったと思います。
出演者にとっては、このドラマの撮影を頑張っていたことはすでに過去の記憶となってしまっている様子で、間宮氏はおろか、主演の菅田くんも、中村くんも、だあれもドラマ見てねと呟いてくれなかったことが、かなーり寂しいです…涙です