41話 月にのぼる者
42話 離れゆく心
以上二話まとめての感想です。
①立ちはだかる将軍の影
丹波攻略戦を始めた明智軍ですが、地元の国衆の抵抗激しく、背後には追放された将軍義昭への同情と煽動がありました。
反信長同盟に囲まれて、明智含む織田軍は休む暇もなくずーっと戦争中。
そこへ、またも味方の裏切りが発生します。
浅井といい松永といい、これで何度目でしょう笑
光秀長女のお岸の嫁ぎ先である荒木村重が反乱。
当然、光秀は秀吉と共に説得にあたりますが、荒木の意志は固く、これもまた背後に将軍への不遜な扱いへの不満があったと描かれました。
(本当は裏で説得に行った黒田官兵衛さんが死にかけてる真っ最中なんですがw、まあそれは描かれなくても仕方ないとして、切支丹問題も完全スルーなのね…)
②周囲の信長を見る目がどんどん厳しく
密かに帝に拝謁した光秀は、権力の座を駆けあがろうとする信長への不安を聞き、
「過った道へ行く事のないよう」
見届けるよう言われます。
麗しく尊い御姿なのでついつい幻惑されてしまいますが、個人的には、この帝と朝廷の姿勢は非常に狡猾に思えます。
自分達は武力を持たないので、巧みに武力を持つ者同士で争わせようとする。自らは手を汚さず生きてきた公家の嫌らしさを凄く感じますね笑
言葉を受けた光秀からすればこれは勅命。けれど誰にもこれを公表できない。重い責任を背負ってしまいました。
更に、信長の最も古く強固な同盟者であった家康までもが、信長への不満と不信を秘かに吐露。
きっかけは、かの有名な築山殿と嫡男への処刑命令…我慢の男が試されてます。
そんな中、秀吉だけが信長への絶対服従姿勢を見せ続け、荒木だけでなく光秀にも威圧的な態度を取り始めました。
41話の段階では、光秀にヘイコラしてたのに
42話では、いよいよ毛利攻めを拝命し、信長配下において光秀と同格(もしくはそれ以上の立場)へと駆け上がって来ている事が、細かく観察すれば席順でちゃんと描写されてました(まー駆け足過ぎて、多分時代背景好きな人でないと分からない)
③将軍義昭、説得に応じず
丹波と荒木の件を受けて、反信長同盟の中心にいる将軍義昭のもとを秘かに訪れた光秀と左馬助。
左馬助の人脈により、何とか目通りは叶うものの
左馬助くん、めっちゃ狂犬の目wwwさすが鬼武者
「信長がいる限り、京へは戻らん」
だって兄貴殺されたの見てるしー。光秀くんだけだったら考えるけどね〜という連れないお返事。
そりゃまあ、自分を見限って信長配下へと走った光秀に、今更耳を貸す事はできませんわ…
④出戻ったお岸ちゃんと左馬助が尊い
これまでも、フラグなんだか匂わせなんだか、ハッキリとは描かれてこなかったこの二人が、ようやくフィーチャーされました!奥様嬉しい😊
将軍のもとへ向かう船の中でも
「荒木へ嫁がれたお岸殿はどうなりましょう…」
と、しきりに案じていた左馬助。
まつげなっがwww
将軍説得失敗で、離縁されて出戻ったお岸ちゃんが嘆くのを、そっと見守る爆イケの髭…
はぁ…こんなにもぶっとい萌えの鉱脈が我らには見えているというのに、公式さんときたら!全然明後日の方向にばかり穴掘ってからに笑
今回、流石に注目してくれた人多かったみたいで、一応コレも貼っとくね。ま、記念だからね。
一瞬でいいから、残り二話でこの二人が夫婦になった描写が入るといいのですが…ま、あまり大きな期待しないでおこう笑
⑤暴走する信長は遂に
信長は光秀の心が少しずつ冷えていっているのを薄々察しているのか、忠誠を試す様な言動を繰り返し、
光秀もまた試されているのを感じ取り、二人の間に微妙な緊張感が生まれました。
松永の平蜘蛛の事でつい嘘をついてしまった光秀は、改めて信長に差し出す事で信頼を取り戻そうとします。
しかし信長は、それを売って値打ちを確かめたいなどと、死者への冒涜をも恐れぬ勝手放題を言い
光秀は困惑。
更には、帝と密会した事を問いただされ、その会話の内容を言えと迫られますが、言えるわけない。すると信長は激昂。
傷を負いながらも必死で耐えた光秀でしたが、
悔いた様子の信長が
「帝を差し替えれば良い」
などと言い出した事には、この表情。
遂に越えてはならない一線にまで手をかけてしまった瞬間でした。
本作での「幼児性の強い覇王信長」「劣等感モンスター秀吉」という人物造形は、かなり好き嫌い分かれる独特の解釈だと思いますが、
どうやら光秀に関しては、かつて私がなんとなく感じとった通りになるのかなって感じてます。
即ち
「理想主義者で使命感が強く、信長をここまでにしてしまった責任をとるために、自分の意志で行動を起こす」
そんな光秀像で終わるのではないかと期待しています。