Quantcast
Channel: 妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 427

舞台感想<昔の日々>日生劇場

$
0
0

がっつりした本気芝居が観たくて行って来ました。
最近楽しんでるものが、余りにも軽めコンテンツに偏ってる気がしたんで、無意識にバランスを取ろうとしたのかなあ…(自分でもよく分からない)

その期待通りであったかと聞かれれば、確かに本気芝居でした。
全編通してたった3名の役者による台詞劇。ひたすらがっつり。

だが、難解だった。

「よく分かりませんでした」で済ませてしまっては申し訳ないような役者さんたちの熱演だったんですけどね…。

麻実れいさんが、風格を感じさせるほど良かった。役に合っていたというのもあると思う。
若村真由美さんも、時代劇などで見かける美人女優の印象しかなかったので、「この人こんな現代劇こなせる人だったんだ」と驚かされた。特にラスト近くの台詞には凄みも出ていた。
一方、唯一の男性キャスト堀部圭亮さんは、二人の女優に比べると見劣りしてしまったように思う。日本人には馴染みの薄い英国の地名などの固有名詞をばんばん語らなくてはならないので、ほんのわずかな台詞の聞きづらさが結構致命的になってしまう。なかなか役者さんにとっては厳しい芝居だったのではないでしょうか。

私は、こんな本格的台詞劇を鑑賞したのは初めてだったので、正直、的を得た感想を書く自信がない。
だけど、日記気分でゆるゆる書いてる私的ブログゆえ、まあなんとかお許し願いたい。

元は英国のお芝居であったらしいので、台詞は基本的に翻訳されたものだと思われる。そして、それが残念ながら自然な日本語の芝居台詞へと上手く咀嚼できていないのだ。
なんというか、古い外国ドラマの日本語吹き替え版を見せられているような錯覚に陥った。

私は、途中で全ての台詞を理解するのをあきらめた。そして、シンボリックに繰り出される言葉から、ただ雰囲気を味わおうと努める事にしました。
それが良かったかどうかは分かりません。ただ、結果として、私なりの感想を以下のように抱きました。

1)「去年マリエンバートで」が好きな人にはいいんじゃないかな
いわゆる、分かる人には分かる、というやつなのでしょうか…?上手く表現できなくてすまんです。

2)ロンドンのスノッブはまだ健在なのでありますな
私、子供の頃にクリスティを愛読していたことがありまして、よく分からないながらも、英国の中・上流階級に蔓延するスノッブ臭をたまらなく愛しておりました笑。
彼らの世界の中では、「ロンドンに住むこと」(イギリスはちっちゃい国なので、ロンドン以外は皆ど田舎なんです)、「そこでお芝居を観ること」というのは、立派なステータスでスノッビーなことなのであります。
それが、現代でも健在なのかよびっくりだぜ、というのが嘘偽りない感想www。これ、どう見てもそういう人たち向けに作られてるお芝居ですから。

3)感想を議論しあう社交場がないと、こういうお芝居を本当には堪能できないんじゃないかな
英国人にとっての社交の重要さというのは、絶対に日本人には理解仕切れないところがあると思っている。
彼らは、自分が帰属する階級(クラス)を証明するためには、文学や芝居という文化的教養を共有しているという事が欠かせないのだ。
つまり、「あの芝居観た?」「観たよ」「どう思った?俺は●●だと思う」「いやあれはそうじゃない。××じゃないか」という議論的会話をする事自体が、社交の要であり楽しみらしいです。(ホントにそれが楽しいかどうかはわしゃ知らん)
従って、エンタメも、お子様でも分かる様なものでは需要を満たせず、難解でいろいろな解釈や議論の対象となるような演目を欲する層がいるのではないだろうか。


という訳で、お気楽な私は、見栄を張ったりする必要もない自由な日本人に生まれて本当によかったなー。
(なんだこの感想はっ)

あ、でもね。私、帰りの電車の中で、ずっとこのお芝居のことが頭から離れず、考え続けてました。
「あれ、どういう意味があったのかな…」って。

「あー楽しかった」とか、「泣いちゃったー」とかいうのとは異なる、こんな風に「考える事を要求する」エンタメがあってもいい。
うん、やっぱりこのお芝居は、当初私が期待した通りの内容だったということになりますね。

以上、いつもよりさらに拙い感想で失礼致しました。

web拍手 



Viewing all articles
Browse latest Browse all 427

Trending Articles