①監督は元住吉で決定してしまう
元住吉が呟くように漏らした台詞に、何か思う所あったらしき作家佐野弓子。
彼女が元住吉を監督に指名した事で、事態は決まり一気に動き出してしまいます。
しかし、この時点で早くも、もう既に元住吉の心には迷いが生じてしまった様に見える…
②涼次は落胆するも脚本を差し出す
🐶「俺じゃダメって事なんですね…」
初監督という夢の実現に期待感を抱いてしまっていた涼ちゃんは、落胆。
無理もないですが…
🐶「…でも脚本が認められた事は嬉しいし、俺の本を祥平さんが撮ってくれるなんて、嬉しいです!」
彼なりに現実を受け入れる決意をした模様。
お人好し過ぎるとも思えるんですが、でも、これが涼ちゃんという人なんですよね〜
③むしろスズメの方が悔しそう
🐶「働いて応援してくれてたのにごめん…」
スズメの内助の功に報えなかった事を謝る涼ちゃんでしたが、
🐤「そんなのおかしくない?涼ちゃんの本なのに!」
疑問や怒りを抑えきれないスズメ。
ここで視聴者は皆、スズメの漫画家人生の終わりがどういうものであったかを思い出さざるを得ないのです。
エンディングプロットが生み出せなっていたスズメ。やがて自分で描く筈だった物語を師匠が完成させてしまい、本物の凄さを見せつけられた事が、漫画家への夢を断つ決断をさせたのでした…。
従って、この事態が涼ちゃんの夢の終焉となってしまうのではないか、スズメは再びの悪夢を見る思いだったのではないでしょうか。
しかし、涼ちゃんなりに前向きな気持ちを立て直そうとしているみたい。
脚本が認められたのは事実ですしね。
瞳の輝きだってまだ失っていません。少なくともこの時点では…
④悔しさと戦う涼ちゃんを見守るスズメ
結構多くの視聴者が、怒ったスズメが涼ちゃん押しのけて祥平に怒鳴り込みに行きそうって思ったのでは?(実は私もそう笑)
でも、そうはなりませんでした。
支えてくれている周囲には明るく見せようと頑張っているものの、一人っきりになるとやはりもたげてくる悔しさと戦う涼次。
絵コンテまで描いて…
丸二年、頭の中をどう撮るかで一杯にして、ひたすら夢想し続けていたのですね。
でも、スズメはそんな涼ちゃんの姿をただ黙って見守る事しか出来ません。
これは涼ちゃんが自分で越えなければいけない壁。クリエイターの孤独を知るスズメだからこそ、手を差し伸べる事が必ずしも助けにならないと感じているのかもしれません。
⑤着々と映画化は進んでしまうが
「名前のない鳥」
まだ誰も見た事がない美しい鳥を見つける話…
このストーリーが何かの意味を持ってくるのかも知れないと、淡い期待をつい抱いてしまいます。
まだ世に知られていない純粋な才能を見出してもらえる未来、とかね…。
鳥繋がりで、麦さんが鳥の考証をサポートする事になったのは意外な成り行きでした。
でも、クールフラットを訪ねた麦さんが見た元住吉は、なんだか病気の様に生気がない。
実は、現実が進行するにつれて膨らむ罪悪感に元住吉は苦しんでいたんです。
プロデューサーに降板を願い出るも認められず。
追い詰められた元住吉は、遂に佐野弓子へと直訴しに。
⑥己の弱さに勝てなかった祥平
客観的に見れば、無名の新人に監督させてもらえたかどうかは極めて怪しく、脚本として名前が出るだけでも涼次にとっては立派なステップアップ。
世間でも、佐野が賞歴のある元住吉を指名した事になっており、それが自然に見えます。
でも、真実を知る祥平だけは、逆にそれを受け入れられなくなってしまった。
自分しかしらない自分の卑劣さが心を苛む。
おまけに、土下座までして涼次に撮らせて欲しいと願う理由には、名前だけで人気監督に仕事を取られる不当な現状への怒りがあったのに、他ならぬ自分が同じ事をしてしまったという自己嫌悪を生んだんじゃないかと思うんです…。
ところが、佐野は今更の変更を認めません。そして、どうして元住吉に任せると決めたのか理由を教えてくれるのです。
作家になるため、がむしゃらに見苦しい事も一杯やって登ってきた過去。
「この世界は競争なの。一つ一等賞のゴールテープ切っても、すぐ次のために走り続けなきゃいけない。」
あの時、祥平の黒い野心が覗く目に、自分と同じものを見た。それが理由であったのに。
「悪い人にならなきゃこの世界でやっていけないわよ」
そう嘯き退出して行く佐野の顔には、元住吉に対する失望や軽蔑まで浮かんでいました。
⑦追い詰められた祥平は
「僕は。弱い人間かもしれない。」
涼ちゃんの元に、夜中に突然かかってきたコール
🦁「涼次…許してくれ…」
突然の祥平さん?電話の向こうで泣いているのか?
訝しむ涼ちゃんとスズメを電話の向こうに置いて
クールフラットのテラスに出て雨に打たれる祥平…うーん映画みたいに素晴らしい絵だ…
だが、色気に見惚れてる場合じゃない!手すりに手をかける祥平。え?ええっ?
きゃー祥平さーん待ってー絶叫