今回は、蕎麦屋上妻との因縁ある、ねずみ花火(根津と花田)のエピソードが描かれました。
テーマは「中途半端は許さない」
①姉ちゃんは根津に遊ばれてるのか
姉のデート相手が因縁あるねずみ花火の根津とか、あの親父が知ったらタダじゃ済まねえ…
母親代わりに面倒見てくれた姉の事です。もちろん圭右自身も平静ではいられません。
辻本の伝手で元芸人仲間のラーメン店主を訪ね、根津の現況を知ろうとしますが
あら、戦国鍋の石井ちゃん!
そう言うお前はやすすじゃねーか!
思いがけず蕎麦屋の古い常連で、少年時代の圭右を知っていた店主でした。彼の口からねずみ花火がコンビ解散してしまい、根津と連絡が取れない状況を知ります。
根津を追っているらしき怪しい女に問い詰められ
しかも、ネットでは根津の女癖の悪い評判しか書かれていない…
すっかり頭にきた圭右は、デート現場を待ち伏せし、現れた根津をいきなりぶん殴っちゃいましたw
②許しを請う根津
実は、命日の度に母の墓参りに来てくれていたのが付き合うきっかけであった事が姉の述懐で明らかに
そしてその頃、ラーメン店主から、根津の女癖はネタを元にした根も葉もない噂である事を聞かされ
更に、問題の風評被害を起こした事で、その後の根津は吐く程漫才を苦しむ様になり、ねずみ花火コンビが解散せざるを得なくなった経緯を知るのです。
背景を知った圭右は、根津に対する感情が少しは和らいだのかも知れないけれど、問題は親父w
甲斐甲斐しく墓の世話をする上妻一家(家族の絆強いですね…)の前に詫びる為に現れた根津ですが、親父、顔を見た途端に背中くるりスタスタ。
こりゃあかん…
③許された花田
一方、ねずみ花火相方の花田はソロ芸人としてdisり芸を模索中。単独ライブも控えてるものの、チケット売れてない苦しい状況。
元マネージャーと社長から、再びコンビ漫才やるように説得されますが…
「こんな中途半端な奴とはもうやれない」
花田から見たら、根津は勝手に逃げた弱い奴に思えていたのでしょう。実際、根津はバイトで食いつなぎつつも、今でも漫才コンテストで準決勝まで進んだ頃の記録を部屋に飾り、その未練がましさに自嘲したりしているのです…
そんな根津に、一緒に詫びに行ってくれと懇願されて、花田が放った言葉が
「今更謝っても、謝る側の自己満足でしかない」
何と非情で酷い奴だと、誰もが思う。
だがしかし、実は花田もまた、起こしてしまった風評被害を深く悔い、幾度も幾度も上妻に詫び状を送り続けていたのです。その上で、笑いの道にしがみついて続けてきた。
この台詞の裏に隠された彼の深い思いを知った時、花田こそが真に、因業を背負ったまま這いずって進む、醜くも凄まじい生き様を体現するキャラなんだと感じた。
私は今回、ここ↓で一番泣きましたね…
だから、二人が並んで頭を下げ、それを上妻が受け入れてくれた大団円には、心からホッとできました。
④少し成長した圭右
芸人目指すと決めたものの、それをはっきりと言い出せないまま店の手伝いも頑張っている圭右ですが、親父は学友たちの会話から察していました。
「半端な気持ちの奴に店は継がせねえ」
ちびっ子の頃から、蕎麦屋の四代目であると言い聞かされ、それを誇りにも思って育ったのに。
けれど、もう彼の心は決まったのです。
親父も姉貴も一緒に招かれた花田の単独ライブにて、突然発生した機材トラブルの待ち時間。
「行くぞ!」
と相方辻本を促して立ち上がりました。
「待ちの間、前座として僕らに漫才やらせて下さい!」
あの、なめっきってた態度とは大違いの必死さ、丁寧さ。
そして何より、同じ準備不足のアドリブでも、前回までとは意味がもう違います。彼らにとっての真の挑戦であり修行の第一歩なんですから。
終わった後、「いや〜ウケへんかったな〜」と息を切らしつつ、交わす二人の笑顔の何と眩しい事!
彼らの青春こっからや!若者らしさが清々しい〜
笑いじゃないけど、私もプレゼン仕事で経験しましたが、場を10分持たせろと言われて、実際出来る人まずいませんよ?5分だって汗。
ここの場面相当見応えありそうで、どう描いたのか私は猛烈に原作を読みたくてたまりません〜
⑤ねずみ花火解散ライブとそれぞれの生き方
夢中でべしゃり続ける板の上の圭右達を見ながら、根津は自分にもあんな頃があったと懐かしく思い出します。
そして、同じくそれを眺めていた上妻親父の気持ちにも変化が…
「お前、蕎麦を打つ気はあるのか?」
そう親父さんに尋ねられた時、根津の気持ちもまた何かが吹っ切れたのでしょう。
いまいちウケず苦闘する元相方の芸を見守った後、根津は再びのコンビ漫才をやりに自ら舞台に上がりました。
しかも、あの因縁の風評被害ネタをボケツッコミ入れ替えで(ここは自分はこれからもdisり芸で生きていくという花田側の覚悟ですね)全力で披露し客を沸かせます。
そしてこれが、このコンビ二人の最後の漫才でした。ねずみ花火なりのけじめをつけて、もう中途半端は卒業です。
勢いで姉ちゃんにだってプロポーズ…
て、おい、ちゃんと全部台詞言わせたってえーー笑
まんまと、蕎麦屋の婿養子をゲットした親父、大勝利。
墓地で背を向けたのも、娘を取られちゃう空気を察しての事だったのかよと、圭右にからかわれる可愛いさ💖
そして、息子圭右の背中もガツンと押してくれました。
「芸人になるのは認める。だが家は出て行け。蕎麦屋とも関係ないから“生そば”も名乗るな」
半端を許さない父ちゃん厳しいね。でも、これが筋の通った生き方ですよ。
「もう帰るとこないなぁ?」
という相方辻本の台詞に応えて
「つくづくめんどくせえ親父だよ」
そう言う圭右は、奇妙に明るく誇らしそうで。凄く良い表情が印象的なラストでした。
4話まで見続けてきて、改めて感じていますが、本作品は「笑える」ドラマではありませんね?
間違いなく、人間ドラマ、それもはっきり「泣かせ」にきてるでしょうが!私、既に何回か泣いたわ!
その上、どうやら次週は…?うわーティッシュ必須で臨みます…