①一見警察を舐め切った智美の任意供述
警察へ任意出頭してきた智美は、何だか余裕シャクシャクで警察を舐め切った態度。
母親殺害当時に、薫と一緒にいた事も、被害者を薫から紹介された事も一旦は認めたため、刑事達は色めき立ちますが…
「でも事件には関係ない」
「知りたい?」
「恥ずかしいんだけどさー、読書会やってたの❤️」
ケレン味たっぷりの間宮氏の色っぽい事…
女刑事達は半信半疑で読書会とやらの内容を事細かに供述させます。きっとすぐに嘘や口裏合わせのボロが出るに決まってると踏んでたんですね。
②深い信頼と友情の記憶が二人を救った
刑事の圧迫に追い詰められていた薫でしたが、
証拠として提示されたメモを指でなぞる事で、智美の妹、そして智美自信が込めた意図を完璧に読み解きます。
そして、薫の中に降臨した智美と共に、二人の声と映像がシンクロしつつ高校時代のファウスト読書会の記憶を完璧に再現供述。
ここはかなりのカタルシスを感じる神場面でしたねー。
③無事解放された薫
疑惑は完全に晴れた訳では無いけれど、完璧に供述が一致していて矛盾点がないと立件難しい。
ようやく釈放された薫君を、匿っていた母親と共に智美が出迎えます。
「本当によくやってくれた」
実はかなりヒヤヒヤものだった賭けだったのでしょう。でも智美は薫の能力を信頼してたし、その信頼と友情に立派に応えた薫だったのでした。
智美は、結局のところ約束していた報酬が一銭も得られなかった事に責任を感じていて、手付けと称して幾らかでも金銭を援助しようとしますが、
それを断る薫。対等な友情である事にせめて誇りを持ち続けたいのかもしれませんし、薫なりの男子の意地でもあるでしょう。
④薫の難局はまだまだ続く
しかし世の中は厳しい。
殺人の参考人として取り調べを受けた上に、ヤクザと関係がある事が明かになった薫の事を、持ち込み先の出版社もバイト先も相手にしてくれなくなりました…
更に、事件後に姿をくらました息子は、何と情報屋の山田が匿っており、四千万円の現金は二人のもとに。
その山田は、ヤバそうな稼業をやってそうな弟に何やら仕事を依頼。
多分、薫と智美が無罪放免されたら計画が狂うのでしょう。いったい薫と智美をどうするつもりなのか…
更には、なぜか大ボス自身まで乗り出してきて、ゴンドゥに命じて薫の家を目指し始めた。
大ボスは、山田の企みを知っているのかどうなのか。
そして、止む無く大ボスの命に従ったゴンドゥは、何とかこの窮状を智美に知らせなくてはと、こっそり携帯をオープンに。
⑤蛇の世界は、初めに力ありきなのか
確認された2人の友情。
しかし智美は、この仕事に薫を巻き込んでしまった事に責任を感じている様子。
「こっちの世界は桁が違うぞ」とシノギに誘った時の智美はメフィストそのものでしたので。
「力が全て」と信ずる智美は、強大な大ボスや警察といった権力に力だけで本当に対抗していけるのでしょうか?
そして、追従しかできなかった薫が自らの意志に目覚めた時、そんな智美をどう思い、二人の関係はどうなるのでしょうね…?
熱愛する兄にとって、薫がそんな特別な存在という事にしばしば嫉妬を隠せない妹の存在も気になりますし
もう一つ、「蛇を踏む」という作品がチョイスされた事で、また心を騒つかせる暗喩を感じてしまいました。
この作品は、うっかり蛇を踏んでしまった主人公の家に、人間の母親の姿をした蛇が住み着き
「蛇の世界へいらっしゃい」と誘うホラーファンタジーめいた純文学です。
(薫というより、むしろ井上家の方を連想するかも。というかそっちの方であってくれ、という思い)
でね、この作品最後どうなると思います?
…自分の意志に目覚めて、蛇の誘いを拒絶する事を決めた主人公はね…
何と蛇と絡み合って、互いに首を絞め合うというラストなんですよ…🐍🐍🐍
(…書かなきゃ良かった)
妄想家なんで、勝手な事好きにほざいてますけど〜
私が見たい今後の展開はスカッとした男の友情物語なんで!
一応言っときます!