①しぶしぶ引き受けた案件
依頼者は子育て中の主婦エミ。
一見セレブ風なのですが、依頼内容がヤバい。
「自殺した大学時代の親友カオリが夢に出てくる。きっと他殺に違いないから調べ直して」
こんな妄想に付き合ってられないと、一旦は断ったハムラ。
しかし、物見高い書店常連と先輩探偵の強引な押しに負けて再調査を受ける事に。
「終わった話を蒸し返せば、依頼者である貴女を含む誰かを傷つける可能性がある。よろしいですね?」
「私の調査に手加減はありません」
②自殺の理由は?
自殺の理由と思しき離婚した夫に問いただすも、
「自分の浮気だけでなく彼女が不妊に悩んでいた事も原因。それに、一時は落ち込んでいたが、友人に励まされて立ち直っていた様子だった」
飛び降り自殺したマンションの管理人にも
「直前に挨拶してくれたし、死にたがってる人には見えなかった」
これでは、何で警察が自殺と断定したのかすら分からない。
そこで、脳筋刑事に小遣い握らせ、内部調書を手に入れる手筈を整えました。剛腕じゃないかハムラ、カッコいいw
③仲良しグループの真実
一方、カオリと仲良かったというゼミ仲間たちにも順に話を聞きにいく事に。
現在は母校の大学で教壇に立っているタマキ。見るからに地味で真面目で堅実そうな。
タマキの証言によると、離婚と不妊で悩んでいたカオリは立ち直りかけており、自殺当日もエミを除いて一緒にいた。けれど、やっぱりダメだった…
エミだけ声をかけなかった理由は、不妊で悩むカオリに対して子供自慢でマウント取る言動を繰り返していたから。
「エミには何か後ろめたい気持ちがあったんじゃないですか?」
学生時代の溜まり場だった喫茶店の店長は、人生イロイロなオネエさん。
そこで聴き込んだ内容は、
・実は依頼者のエミは親友とは言えずむしろカオリに劣等感を抱いていた様子
・むしろタマキこそが、一番親身になってカオリを支えていた事
「朗読会でカオリが金子みすゞの詩を読んだ時、タマキちゃん泣いちゃって…あの子もイロイロあるから」
④引金を引いたのは一枚のハガキだったのか
警察の内部資料を、なぜか上司の刑事の方が持ってきてくれました。
脳筋刑事の方はどうやら、エリート岡田警視に見咎められて絞られてるそうでw
その資料の中身は、やはり、という内容。
「調査の結果、やはり自殺でした。」
「引金を引いたのは、一枚のハガキ」
そう、カオリは、エミが出した子供の写真入り年賀状を握り締めた状態で発見されたのでした。
できれば「自分のせいじゃない」と言ってもらいたかったであろうエミは激昂。
苦い後味。しかし何だかしっくり来ない様子のハムラ。
例によって唐突に岡田警視様がご登場あそばし
(ここで何で常連さんたちが恐れ入ってるのかは謎w身分バレてるんでしたっけ?)
「自分も、たった一枚のハガキだけで自殺と断定された事を不審に思う」
「(いかにも、という理由づけだけれど)本当にそうだったんですかねえ」
ハムラに思い込みによる誤りを気づかせる役割を果たしたんですが、そんな事よりも!
「岡田警視が歩いた〜」
(クララが立った〜みたいに言うな)
うっうっこの頃、漸く骨折治ったのねって!
良かったー。これ以降はもうちょっと動いて歩いて走って、何なら蹴りとかボコるアクションを繰り出すエリート警視が見られるかもっ(多くを望みすぎ)(ついでに警視のお仕事も良く分かってない)
⑤圧倒的まりか様劇場
松本まりかさんを初めて認識したのは、ホリデイラブ。
その後もお見かけする度に、独特の声音でキレッキレ悪女ばかりを演じてらっしゃる気がいたします。
ハムラが真実を問いただした時のタマキの表情は見応え抜群でした。
「貴女は一人の女性としてカオリさんを愛していた」
「詩を朗読する彼女を見て、受け入れてもらえるかもしれないと淡い期待を抱いてしまったが」
「理解してもらえなかった」
故意でなく、諍いからの事故だった事を振り返りつつ、
「証拠は何もないわ」
「女はそういうものってみんな思って決めつけてるから、勝手に思い込む」
追い詰められ咄嗟の思いつきで、投身した後のカオリにハガキを握らせていたのでした。
「誰にも本当の気持ちなんて分からない。カオリ自身にも」
結局ハムラは、依頼人エミに「自殺ではなかった」真実だけを伝える事は決意しますが
その後タマキがどうなったかは描かれず、ただ哀しい苦しい思いだけが残ります。なるほど、これがイヤミスというものか…
「みんな違って、みんないい」
有名なこの詩を、色んな人が色んな気持ちで受けとめているんですねえ。
女同士のドロドロした内情というのは、私自身も経験がある。だから尚更、モヤモヤの残る回でした。