第十七話 長良川の対決
見所てんこ盛りで、美濃編ラストにふさわしい回でした。
①高政と道三の一騎討ち
見応えのあるシーンを!と作り手の気合いを感じた合戦シーンでした。
兵士いっぱい、お馬🐴いっぱい、陣太鼓も高らかに〜🥁まるで映画みたいで惚れ惚れ。さすが大河です!
父子の一騎討ち場面は、どの一瞬を切り取っても、もはや道三のために描かれた絵巻物の如く。
「父の名を申せ!」
としつこい程繰り返して息絶えた道三の真の狙いは、土岐源氏を騙ろうとする息子の嘘を暴き「父殺し」の汚名から逃れられない様にする事だった、と描かれました。
道三を越えたくば、その汚名を乗り越えてみせろ、という訳ですね。蝮の毒は死してなお、呪いの如く苛烈。
②高政と光秀の決裂
華やかな本木道三に対峙した伊藤高政役もまた、細っこいイケメン役者にはない男らしさがあった。戦国武者、しかも将の役をやる方はかくあって欲しいものです。(それ単にお前の好みや)
私はこの方の表情が好きですね。実にアップに映えます。
道三の死に間に合わなかった光秀。
裏切りを詰りつつ、今からでも自分の下に参じるよう促す高政でしたが、光秀はきっぱり断ります。
「土岐様を立派と思った事は無かったが、道三様は立派な領主だった。誇りをお持ちだった。」
ケチと悪態ついたり、「どちらかと言えば嫌いです」とか本人に向かって言ったりしてましたがwなんだかんだ言っても、光秀は道三という人物に魅力を感じてしまっていたのですね。
自分の力で道を切り拓いて来た男の誇りの前では、古(いにしえ)の名族の名に縋って国を治めようとする高政のやり方が小人の小賢しさにしか見えない。
まして本来の血筋で言えば、明智一族の方が土岐源氏の傍流なのですから、そこも反感を持つ要因だったのかもしれません。
③光安叔父の最後の願い
明智城に立て篭り、高政からの攻撃に備えている光安叔父。
光秀が駆けつけると、負傷した足を息子左馬助に介助して貰いつつ、光秀を主座へと座らせました。
「今日ここで、明智家の当主をお前に譲る」
自分の至らなさから、所領を追われる事になった事を詫びつつ、言うのでした。
「美濃を落ちのびて生きよ。生きて再び城持ちとなれ」
明智の血を絶やさず生き伸びて欲しい。
そして息子左馬助を共に連れて行って欲しい。
父の言葉を次いで、左馬助もまた必死。
「どうか父の(最期の)願いを聞き届けてくだされ」
きっと小さい頃から、真の主君は光秀であると言い聞かせて左馬助を育てて来たのでしょう。最後まで無欲で誠実な叔父上でした。
先に行け。後から行くから、と見送る光安でしたが、これが甥光秀と息子左馬助との今生の別れである事は全員が知っている。悲しい場面でした😭
④さらば明智荘
高政一派を迎え撃つと思いきや、逃げる支度を命じた息子光秀に対し、土地に愛着の強い母は残ると言い張り、光秀も妻煕子も弱ります。
しかし、領民思いの良き領主だった光秀との別れを惜しんで集まっていた領民のうち、
藤田伝吾が笑顔を作って母上を諭すのです。
「再び会えると信じて、この荘をお守りしていますから」
この背の高い正統派二枚目はどなた?って気になってた人多いんじゃないでしょうか?
この方、後に左馬助と共に明智軍団の要の一人となって活躍しますから、皆さん是非覚えておきましょうね!w
光秀の館から見上げる明智城は既に燃えていました。
さあ、光秀一家の流浪が始まります。
(…ていうか、一緒に連れてきた筈の左馬助くんはどこ?w)