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Channel: 妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想)
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読書感想<ハリポタ/ウルトラダラー/太陽の簒奪者>

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ハリーポッターと賢者の石→ふたたびの挫折

コメントいただいたこともあり、かつて1度チャレンジして途中放棄したハリポタ1巻に再び挑戦してみたんですがね・・・。
結論からいうと、やはり読み進めるのは無理でした。
何冊かのガマンだと言い聞かせて頑張ろうとしたんですが、何と言うか、こんなにも翻訳にケチをつけたくなったのは初めてです。特に台詞が酷い。致命的にセンスを感じない。

普段は「エンタテインメント本に凝った文章なんかいらん」などど決め付けていた私でしたが、土下座して謝ります。やはり味わえる文章大事です。
私も自らを省みて恥じるところ多し。次に何か書く時には、もうちょっと真面目に文章練ってお出しするように努めます・・・


ウルトラ・ダラー(小説)手嶋龍一

ダンナの本棚から私が気まぐれに拝借。
「日本が舞台なのに、なんでスパイはイギリス人のイケメンなのかしらね?」
「せやなー。やっぱジェームズ・ボンドかバンコランみたいじゃないとなー」
「そこでバンコランの名前を出してくる貴方って、教養あるわーしびれるわー」
などといううちら夫婦のアホな会話は、全力で無視してくださって結構です。真面目な本ですよ。

北朝鮮の偽札作りを中心にした国際謀略もの。真保裕一の『奪取』みたいなエンタメ系作品ではなく、小説というよりは、作者の豊富な知識と経験が活かされた実録に近い裏話という印象。
実際、数年前に書かれた本だが、この本に可能性としてのみ提示されていた北の核保有は、現実世界で実現してしまった。ちょっといろいろ考えさせられる。
特に、朝鮮半島や中国が日本権力の深部に関わっているという描写やストーリーについては、ささやかな個人的経験からも、これは事実であろうと認めるしかない。
ただし、それを陰謀論だけで語るのは単純すぎる。それを内包してこその日本だと思うけれどもね。

細部のリアリティや、実在モデルの政治家や事件を思い出しながらあれこれ想像を巡らして読むと凄く楽しい本。


太陽の簒奪者(SF小説)野尻抱介

ファースト・コンタクトをテーマとしたハードSF。

この本を手に入れたのは結構前のことだった。なぜすぐ読まなかったかというと、ハードSFというのは猛烈に脳みそを消耗するから、というのが理由の一つです。このジャンルに目がないにも関わらず、ある時期からやたらと難化方向へと向かったSFから、ついつい足が遠ざかってしまっていました。

私がハヤカワなどを読みまくったのは高校生の頃。本当に久しぶりにトライした超本格SFの世界でしたが、ページをめくる都度、科学文明のキラキラな未来を夢みていた無邪気な時代の記憶がばあーっと蘇り、ストイックなまでにアレなヒロインに当時の自分をつい重ね。気づけば私は最初の数章で泣いてしまっておりましたよ笑。(あ、本筋とは全く関係なく泣けるというのは、私の特技です笑)

私が最も愛するSF小説に、ホーガンの「星を継ぐもの」があるのですが、この作品にはそれと同じピュアさを感じました。人間ドラマやアクションなどをメインとし、舞台設定のみSFぽい作品というのがいつの間にか世の主流になってしまっているようですが、本来SFの持つ魅力というのは、人間の想像力の限界に挑むような壮大な謎や世界観を提起し、読者に最大限の知的興奮を味合わせてくれる点にあるはずです。この作品は、真正面からそれに取り組み、見事に成功しています。

こういうスケールの作品を読んじゃうと、「88円バナナが売り切れだったわ悔しい」とか「娘弁当のおにぎりの具は何にしよう」とか悩んでる己がちっちゃすぎて最早どうでもよくなりますよねっ
あと、ほんの少しだけ控えめに入れられたロマンスのかほりも、どストライクな私好みのエピソードです。読んでいただければ分かります・・・。
ああ、やはり星はいい。とかラインハルト様みたいな台詞はいて、感想を締めさせていただきます。


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